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Thu May 22 23:39:53 JST 2014

無職になった

剰余の定理の問題

形式、

整式 \(P(x)\) を、 整式 \(D_1(x)\) で割ると、\(r_1(x)\) が余った。 整式 \(D_2(x)\) で割ると、\(r_2(x)\) が余った。 整式 \(D_3(x)\) で割ると、余りは如何になるか。

割る数に相当する \(D_i\) の次元よりも 余りである\(r_i\)の次元は真に小さいはず。 \(D_3\)は大抵、\(D_1, D_2\) の積だったり、何かしら関係のある整式。

\(D_1, D_2\) が二次元で、片方には2つの根があり、\(D_3\)\(D_1\)\(D_2\)の積である

given

\((x+1)^2\)でわって\(r_2(x)\)余るとはすなわち、

\(P(x) = (x + 1)^2 Q_2(x) + r_2(x)\)

という整式\(Q_2(x)\)が存在すること。

\(Q_2\)\((x^2+1)\)で割ることを考えると余りは一次式\(ax+b\)と書けるはずで、

\(Q_2(x) = (x^2+1)q(x) + ax + b\)

これを代入して、

\(P(x) = (x + 1)^2 (x^2 + 1) q(x) + (x+1)^2 (ax+b) + r_2(x)\)

さて、変数は\(a,b\)の2つで、今 \((x^2+1)\)には、根が\(x=i, -i\)という2つあるので、 これは解ける。つまり、\(x=i\)の場合を考えれば、

連立して、

\((i+1)^2 (ai+b) = (r_1 - r_2)(i)\)

同様に、\(x=-i\)の場合は、

\((-i+1)^2 (-ai+b) = (r_1 - r_2)(-i)\)

2つ式があるんだから、当然これは解ける。

どっちも重解の時

given

これは先程の、片方の割る数を更に割るという手法は使えない。 一次元の余り(変数が2つ)を決定するのに式が一つしか出てこないから。

N.B.
ええっと、
予備校の教科書を見ていて、じゃあどうするんだろう、と思ったら、
大体次のような恐ろしく面倒な方法が載っていた。

どうするかといえば、 片方の割る数を更に割る、を双方に対してする。

同様に

これらに、それぞれの根である、\(x=1, -1\)を入れて比較するとどうなるか。 \(x=1\)を入れると、

故に、\(a_2 + b_2 = \frac{1}{4} (r_1 - r_2)(1)\)

\(x=-1\)については、 \(a_1 + b_1 = \frac{1}{4} (r_2 - r_1)(-1)\) が得られる。

変数4つについて、まだ式を2つしかないので、あと2つ。 \(D_3(x)\)で割った余りとして、今、二通りの表現を我々は持っている。

これらは一致していないといけない。 3次式の一致だから、各係数の一致を見ることで、4つの式が得られる。 やべぇ。 おおすぎる。 \(r_1, r_2\) が一次式だとわかっている。 三次式の一致を見るのに、\(x^3, x^2\)の係数だけを見ることにすれば、 具体的な\(r_1, r_2\)がとりあえず必要なくなって、 しかも先程の2つの式と合わせて4つの式が得られるから、 これで十分である。

以上から目的を達した。

最初の手法よりも、単純に労働力が二倍以上必要となる。 これはよくない。

提案手法

そもそも、根が一つしかないのが悪かった。 あんな式、ちょびっとズラしちゃえば、根2つになるんだから、 ちょびっとズラそう

\((x-1)^2 \sim (x-1) \cdot (x-1-\delta)\)

サ変と右辺はほとんど同じだから同じに見えてくるのは同じなのだからとうぜんである。 しかしながらサ変の根は\(x=1\)という一つなのに対して、右辺の根は, \(x=1, 1+\delta\)という2つが在って、 今の目的に都合が良いのでこちらを使おう。

ここで、\(\delta\)とは微小な、すなわちほとんどゼロな数であり、\(\delta\)ならギリギリ観測できるけど、\(\delta^2\)は観測できない、つまりゼロである。

given

最初の手法に、\(\delta^k = 0 (k > 1)\) というルールを加えると上手く行く。

\(D_2\)\(D_1\)で割る流れで、

\(P(x) = (x+1)^2 (x-1) (x-1-\delta) q(x) + (x+1)^2 (ax+b) + r_2(x)\)

ここで、\((ax+b)\)が求めたい変数である。

\(r_1(1+\delta) = P(1+\delta) = (2+\delta)^2 (a+a\delta+b) + r_2(1+\delta)\)

\(\delta\)の一次の項、\(\delta\)がフリーな定数項に分けて展開してみる。 ただしここで\(r_1, r_2\)が一次式であることを用いる。 すなわち、 \(r_i(1+\delta) = r_i(1) + \dot{r_i}\delta\) であるから、

定数項

\(r_1(1) = 4(a+b) + r_2(1)\)

故に、\(a+b = \frac{1}{4} (r_2-r_1)(1)\)

定数項を考えることは、\(\delta=0\)とすることであり、 根\(x=1\)の場合を検討することに相当する。

\(\delta\)の一次項

\(\dot{r_1}\delta = 4a\delta + 4\delta(a+b) + \dot{r_2}\delta\)

\(\delta \ne 0\)だから(!)、

\(\dot{r_1} = 4a + 4(a+b) + \dot{r_2}\)

<=> \(2a + b = \frac{1}{4} (\dot{r_1} - \dot{r_2})\)

変数2つに対して、式を2つ得たので無事解けることになる。

終わり。