Fri Aug 30 2019

続き

買ったばかりの古本を開くと、そこには栞の代わりに挟まれた二千円札があった。 本に挟まっていたという驚きと、それが二千円札であるという感動。 200円で買った古本に挟まっていたから本の価値を無視しても1800円の得だな、なんていう下心が働いたのも仕方がない。 さて、拾ったものを猫ババするのは拾得物横領である。 しかしこれは拾ったものではなく先程きちんとレジを通して精算したものであるから、所有権は確かに私にある、と言っていいのだろうか。 しかし何の因果でこの二千円札は誰にも気附かれずに私の手元に舞い込んだのだろう。 台風で止まった電車の中で私は、思わず神秘主義者にならざるを得なかった。 電車は二時間後ようやくゆっくり動き出した。

(これは創作小説です)

カメラを買った

FujiFilm の x100f というカメラを買った。 全くの初心者には持て余す高機能であるが、これで向こう10年は戦えるからいい買い物だ。きっとね。 カメラが私を連れ出す、とはどこかで聞いたフレーズだ。 私が普段好きで散歩する場所を今ひたすら虱潰しに訪れて写真に収めている。 季節が変わればまた撮りに行くだろう。

一発で良い写真が撮れない。 取った写真を確認し、調整をし、また次を撮り、とやってると、納得の出来る一枚を撮るために、同じ場所に平気で五分も突っ立って何枚も試行錯誤をする必要がある。 だから動くものを撮れない。 オートプログラムモードを使えばとりあえず綺麗な写真は一発で撮れるのは分かっているけど、それは口惜しいじゃないか。