2023-03-10 (Fri.)
ここでこの2つが複素数として等しいから, 次の2つを得る.
\[\cos (\alpha + \beta) = \cos \alpha \cos \beta - \sin \alpha \sin \beta\] \[\sin (\alpha + \beta) = \cos \alpha \sin \beta + \sin \alpha \cos \beta\]\(\tan = \sin/\cos\) なので,
\[\begin{align} \tan (\alpha + \beta) & = \frac{ \sin (\alpha + \beta) }{ \cos (\alpha + \beta) } & \text{ tan の定義} \\ & = \frac{ \cos \alpha \sin \beta + \sin \alpha \cos \beta }{ \cos \alpha \cos \beta - \sin \alpha \sin \beta } \\ & = \frac{ \sin \beta/\cos \beta + \sin \alpha/\cos \alpha }{ 1 - \sin \alpha/\cos \alpha \cdot \sin \beta/\cos \beta } & \text{分母と分子を}\cos\alpha\cos\beta\text{で割った} \\ & = \frac{ \tan\alpha + \tan\beta}{1 - \tan\alpha\tan\beta} \\ \end{align}\]最後の tan についての式は厳密にはゼロ除算や無限大のことを考える必要があるが, 一旦目をつむってることに注意.
バリエーションとして余弦の加法定理から次のようなことも導かれる.
の \(\beta\) を \(-\beta\) で置き換える. このとき \(\cos, \sin\) の偶奇性に注意すると次を得る.
この2つの和差を取ることで次を得る.
\[\cos \alpha \cos \beta = \frac{ \cos(\alpha+\beta) + \cos(\alpha-\beta) }{2}\] \[\sin \alpha \sin \beta = \frac{ \cos(\alpha+\beta) - \cos(\alpha-\beta) }{2}\]同様のことを正弦の加法定理にもする.
これらの和を取ってみると次を得る.
\[\sin\alpha \cos\beta = \frac{ \sin(\alpha+\beta) + \sin(\alpha-\beta) }{2}\]