反科学, 反文明をテーマにしたSF. 科学は便利だけど一歩誤ると~といういつものやつ. どう見ても「天空の城ラピュタ」と全く同じコンセプトなのだが, インターネットによれば実際宮崎駿が脚本に関わっていたのだとか. 神秘な石を持った女の子, 空を目指す男の子, いつの間にか頼れる味方になっている敵キャラ, 現代の科学を超越した古代文明の発見...

ナディアは科学アレルギーだし, 菜食主義者でとにかく面倒くさい. 最初は年の割に大人びた不思議な女性に思えるが, そんなことはなく子供らしい一面を見せる. 理屈を抜きに感情を優先するところなんかが, たいへん人間っぽい.

ナディアの肌の色は今なら「褐色」として萌え要素としてしか言及されないだろうが, はっきりと黒人だと言ってるのが, やはり昔のアニメだ.

Wikipedia によれば, 本作品は4部からなる.

  1. 序章 (episode 1-11)
  2. 第一部: ノーチラス号編 (episode 12-22)
  3. 第二部: 無人島編 (episode 23-34)
  4. 最終部: N-ノーチラス号編 (episode 35-39)

大雑把にいえば, 序章と第一部がNHKらしい(ある意味平和な)アニメで, 第二部が尺つなぎ, 最終部が庵野秀明の本気というか SF パートだ. 最終部に関しては, いろんなアニメのパロディ&リミックスという感じもする. エヴァ的な要素(本作はエヴァより前のもの)がたくさん用意されているのも興奮する.

第二部の無人島編は単なる尺稼ぎでダレてしまうとか言う人もいるが, 私は嫌いじゃなかった. 確かに何も話は進まないけれど, ジャンとナディアの恋が発展する様子を眺めることができる. 34話はさすがに最悪だったけれども.

第二部と最終話のつなぎ方が本当に急というか雑だった.