満足感の高いアニメだった.

話は分かりやすくてカロリーも高くない. 覚悟せずにいつ見てもよい. ただし作画が本当に素晴らしいので何度も止めてはじっと見, 少し巻き戻してはまたじっと見入ってしまう.

タイトルは「少女A」との対比なのかな.

ジャンルとしてはロボットSFアニメなのだろうか. ロボット要素 3(作画がすごい!): SF要素 1 : ギャグ要素 2 : 女の子のキャラクター 4(作画がすごいんだってば!)といった感じ. ロボットが好きな人が見ればこの配分は全く逆転するんだろうな. 原作とメカニックデザインが大友克洋で, キャラクター原案が江口寿史. 間違いようのない組み合わせ. 江口寿史の描く女の子そのものが力強く動いている(江口の女の子キャラはみんな強い)ことに感動. ギリギリまで攻めて絶対に見えないパンツの作画に感動(凄まじい執念).

以降ネタバレ含.

ストーリーについて.

特段ややこしい内容であるどころか, 大筋は最初の30分で大体理解できる. SF的なところに重点を置いてるよりも「ロボットでシリアスにギャグ」をやってる. ロボットといえば, 人が乗り込んで操縦する二足歩行, なんてものがあるが, 非現実的でナンセンスだという冷めた指摘がある. このアニメはそれを逆手に取ったお茶目さがある.

つまり, ロボットに乗り込んで戦ってるわけじゃなくて, あれは老人の介護ベッドなのだと. あくまでそれが自立式で自走機能がついていて, 老人を世話するためのコンピュータが搭載されているのだと. だから人を載せているのは当然だ. 正確には寝かせている.

対して, 物語終盤には純粋な軍事兵器ロボットが登場するのだが, そちらにはわざわざ人なんて乗り込んでない. ついでに言うとこのアニメに二足歩行ロボットは出てこない. みんなキャタピラなりもっと安定性のありそうな手段で移動している. (「映像研には手を出すな」のロボット論争を思い出してしまう.)

とまあ, このアニメはそう言っているわけで, 今後一生, 人が乗り込むタイプのロボットを見るたびに私は, 介護ベッドかよと笑ってしまう呪いに掛けられたわけだ.