日付は私が初めて読み終えた日
「波よ聞いてくれ」の沙村広明. 「波よ聞いてくれ」の連載が2014年からで, 本作は2008から2011年. そちらでもそうなんだけど, 色々とっちらかっていて, この人の漫画は読むのが正直大変.
さてこれはSFトンデモギャグコメディである. 地球外からやってきた人形(女の子の姿をしている)が主人公の人間たちと生活をともにする. その人形にはトンデモない設定が盛り込まれていて, 陳腐と言えばそうなんだが, そんなところはどうでもよくて. 人形のお腹は遠くの空間とつながっており, 無尽蔵にものを食べる事ができる. 逆に「吐き戻し」をすることで食べたものを再編成してキメラを作り出す事ができる. 初めにその人形が「リアカー」を食べ, 人間を食べるところなんかはまさしくファンタジーであるのに対して, 吐き戻し, 要するに嘔吐するシーンだけは人間の女の子が苦しんで嘔吐をしている姿として描かれている. この全2巻は結局このシーンを描く為だけの場に過ぎない.
ラブコメ?人間ドラマ?として意外と話が進んでいる. 作者の性癖(誤用)展開にしか興味がないので, そういう細かいドラマは速度あげてさっさとやってほしいなと思ってしまう.
平和な世界に拍車が掛かってる
ファンタジーとして風呂敷を広げるフェーズだなあ
ゼロ年代アキバの歴史書
やはり短編はいい. 面白い長編を書く人が書く短編はもっといい. 時系列を正しく把握できなてないけど, この短編集で既に犬夜叉だったりのアイデアが惜しげなく披露されていて, やっぱりこの人が書きたいのはこういうのなんだなあってわかる.
やはり短編は良い.
ファンタジー的な要素もなく, 想像以上にかなり王道なラブコメ. そのまま実写ドラマにしても違和感がなさそう(既にあったりするのかな, 調べたらあった!).
さてこの主人公はアパートの管理人, 音無響子である. 音無響子の心情説明に重きが置かれていることからそれは明らかなのだが, 女性的な重たいシーンが多くて, 高橋留美子への同情を禁じ得ない.
ドラマの方は当時見てたけど, 漫画をふらっと眺めたら, 大日本天狗党絵詞の黒田硫黄だったのに気づいて慌てて読んだ. いいね. この人の漫画はかなり絵のタッチが独特だから, 書くストーリーに合う合わないがあると思う. これは合っている.